大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(行ナ)174号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(本件審決を取り消すべき事由の有無について)

二 本件審決につき、これを取り消すべき事由があるかどうかの点に関する事実上の争点は、本願発明において、下部デッキが柱、垂直支持体等によつて支えられていないという構成をとつたことが、本件審決の判断するように、当業者が船体の強度、設計上の必要性に基づき容易に選択しうる程度のことであるといいうるかどうかにあることは、原告の主張自体に徴し明らかなところである。よつて、この点について審究するに、本願の願書、明細書及び図面並びに訂正明細書によれば、本願発明において、「下部デッキが船の強度のために必須な如何なる種類の垂直支持体によつても支えられ」ない構成をとつたことにより、他の構成と相まち、原告主張のような目的を達成し、その主張のとおりの作用効果を奏するものであることを肯認しうべく、これを左右するに足る証拠はない。しかして、右認定の事実関係、とくに、本願発明において前記のような構成をとつたことによる作用効果を考慮すれば、右構成をもつて、単に船体の強度、設計上の必要に基づき容易に取捨選択しうる程度のことであるとする本件審決の判断が、甚だしく当を得ないものであることは、明白なところといわざるをえない。けだし、このような作用効果の期待される構造は単なる船体の強度、設計上の必要性に基づく選択の範囲に属するものとはいえないことは、いうまでもないことであるからである(したがつて、これをもつて、引用例のものとの比較において、設計上の微差とすることも妥当ではない。)(むすび)

三 叙上のとおりであるから、その主張の点において判断を誤つた違法があることを理由に本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、他の点について判断をもちいるまでもなく、理由があるのということができる。

(三宅正雄 土肥原光圀 武居二郎)

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